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古川諒子 個展
私の知るX夫妻について
2021. 11/20 → 12/11
EXHIBITIONS
2021/11/20 - 12/11 で、古川諒子による個展「私の知るX夫妻について」を開催いたしました。
GALLERY RYOは建築設計に携わってきた経験をベースに、「暮らしにシーンを与える」という視点からアート、インテリア、オブジェと建築空間をクリティカルに再検討し、現代における生活様式の再定義を試みています。
居住空間の広さの獲得を是としてきた住宅のあり方は、近年では社会や家族形態の変化とともに移り変わり、より個人のライフスタイルをどう創り出すかという、ある種表現の場としての性格を帯びるようになってきました。Gallery Ryoではそうした住宅を取り巻いている質的変化を踏まえ、インテリアやオブジェ、現代美術を手掛かりに、家というハコではなく、むしろその内容物である生活や暮らしそのものの創出を目指しています。
今回古川はスペースを架空の夫妻の家と設定し、そこかしこに夫婦がかつていた(であろう)インテリアやオブジェを配置して、また壁面には夫婦の生活を描いたペインティングがかかります。しかし、そこにあるのはどこまでも痕跡で、肝心の夫婦に関する確かな情報はどこにも開示されていません。
古川の絵画は支持体を水に濡らしながら描くため、描かれたモチーフはどこかぼやけた、はっきりしない輪郭をしています。「現実でも夢でもない、その間」について描こうとする彼女は、そうした具象と抽象の間に立った技法を採用するのです。それは今回のような展示、つまり現実にはいない夫婦をテーマにするけれど、しかし空間に痕跡が多く残っているという、その虚構と現実の間を表現するための言葉としても強く作用しています。
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